住所がなくても助けを呼べる「what3words」緊急時の位置共有ツール

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緊急時に「今どこですか?」と聞かれたら119や110に電話したとき、「場所が分からない」「住所が出てこない」と焦った経験はありませんか?

山や海、広い公園、河川敷、そして住所のない場所では、「いま自分がどこにいるのか」を正確に伝えることが難しいですよね。

そんなときに使えるのが、世界中で注目されている位置共有サービス 「what3words(ワットスリーワード)」 です。

what3wordsとは?

イギリスで開発されたこのシステムは、世界を3m×3mの正方形に区切り、その1区画ごとに 3つの単語(ワード) を割り当てています。

たとえば、東京スカイツリーの展望デッキは「///ほん.だい.いちばん」のような3つの日本語の単語で表せます。

数字や座標を使わず、言葉で場所を特定できるのが特徴です。海外では「補助ツール」として当たり前に使われているイギリスをはじめ、ヨーロッパや中東、アフリカ、オーストラリアなどでは、警察や消防、救急機関が what3wordsを通報時の補助ツール として導入しています。

  • イギリス全土の警察・消防・救急(999通報)
    通報者がアプリで表示された「3ワード」を伝えるだけで、
    通信指令室が即座に位置を特定。
    山中や郊外での遭難救助、交通事故などで多数の奏功事例があります。
  • ドイツ・南アフリカ・カナダなど
    公式通報センターのシステムに統合され、
    音声・チャット・SMSいずれの通報にも対応しています。

これらの国では「GPS座標や住所と併用する補助的な位置情報ツール」として、現場職員や指令員が日常的に利用しています。

日本では消防・警察の指令システムにwhat3wordsが正式導入されている例はまだありません。

通報対応の際は主に以下の手段が使われています。

  • 携帯電話の位置情報(GPS/基地局情報)
  • 通報者の周辺施設名・目印の聞き取り
  • 地図アプリの共有リンク
  • 災害時は緯度経度やQRコードによる共有

つまり、what3wordsは現時点では個人利用や一部企業・自治体での試行段階です。

日本での利用・導入事例(2025年時点)

分野 具体例 備考
🚙 自動車メーカー メルセデス・ベンツ車載ナビに搭載 3ワードで目的地入力可能
🏞 観光・アウトドア 登山・キャンプ施設で「集合場所の共有」に利用 SNSやHPで「3ワード表示」を推奨する施設あり
📦 配送・物流 一部の宅配・測量・イベント運営会社で試験利用 正確な搬入・設営位置指定に活用
🏙 自治体・防災 一部自治体が実証実験 災害時の避難誘導・救助要請の補助として検証中
🎥 メディア・映像制作 ロケ地の正確な共有 広い場所での撮影時に重宝されている

まだ公式には「通報システム」に組み込まれていませんが、“位置を3ワードで伝える”という概念は確実に広がり始めています。

奏功事例(海外)

  • イギリス・ヨークシャー州:
    夜間に遭難したカップルがアプリで表示された3ワードを警察に伝え、20分で救出。
  • オーストラリア・クイーンズランド州:
    豪雨で孤立した住民がwhat3wordsで位置を共有し、ヘリがピンポイントで救助。

いずれも、「住所がない」「説明できない」場所での救助成功例です。

緊急時の“補助ツール”として覚えておきたいwhat3wordsは、日本ではまだ公式の通報方法ではありませんが、

自分や家族の位置を瞬時に共有できる「備えのツール」として使えます。

特におすすめの使い方:

  • キャンプ・登山・海水浴など、住所がない場所での集合や安全確認
  • 災害時に「どこにいるか」を家族・友人に正確に伝える
  • 出張やイベント時の集合場所共有

まとめ:日本でも“いざという時”に備えて知っておこう

項目 内容
サービス名 what3words(ワットスリーワード)
開発国 イギリス
主な用途 位置情報共有(補助的ツール)
海外での運用 警察・消防・救急で広く採用
日本での現状 民間・自治体・防災分野で一部導入段階

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まとめ

「住所がない」「地図に載らない」場所ほど、救助や連絡が難しい。

だからこそ、“3つの言葉で命を守る”という仕組みを知っておくだけでも大きな備えになります。

what3wordsはまだ日本では“補助的な存在”ですが、これからの防災や緊急対応の現場で欠かせないツールになる可能性を秘めています。

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